基礎編3: 注意が必要な母音の発音=変な読み方をするドイツ語

 学習目標:

● ウムラウトや二重母音の読み方を知り、単語を読めるようになる。

● 母音の長短の読み方を知り、単語を読めるようになる。

前回は単語の基本的な読み方を学びました。ドイツ語は基本ローマ字読み!が原則でしたね。ただし、すべての単語にこの原則が当てはまるわけではありません。今回は原則から外れた読み方を学んでいきます。原則を学んだばかりですが、「原則なんてなかった、いいね?」と言わざるを得ません…。

1. ウムラウト(変母音)

アルファベートの回では、ドイツ語の特殊文字ウムラウト(Ä, Ö, Ü)を学びました。カタカナ読みでは「エー、エー、ユー」となりますが、「Ä」(アー・ウムラウト)は「アー」と「エー」を同時に発音し、「Ö」(オー・ウムラウト)は「オー」と「エー」を、「Ü」(ウー・ウムラウト)は「ウー」と「イー」を同時に発音する感じです。以下の例を読んでみましょう。

Anfänger(アンフェンガー)=初心者
Köln(ケルン〔コォェルン〕)=ケルン(都市名)
über(ユーバー〔ウィーバー〕)=~の上方に(前置詞)

カタカナ表記的にはKölnは「ケルン」ですが、「ケルン」と言っても通じないので「コォェルン」のように発音する必要があります。その昔、ドイツでは長距離列車の切符は、券売機ではなく窓口で買っていましたが、筆者は学生時代ケルンまでの切符を買う際に「ケルン」と言っても通じませんでした。窓口の人から"Wie buchstabiert man?"(どんなつづり?)と聞かれ、「K(カー)・Ö(オー・ウムラウト)、L(エル)、N(エン)」と一文字ずつ述べて、ようやくケルン行きの切符を買うことができました。ちなみに今日では券売機か、ネットやスマホアプリでEチケットを買うのが一般的です。列車によって値段も細かく違ったりします。

さて、実践クイズです。ウムラウトの部分に注意して以下の単語を読んでみましょう。wählenの「h」は直前の母音「ä」を伸ばして発音します。

  1. Händler=商人
  2. wählen=選ぶ
  3. Öl=油
  4. öffnen=開く、オープンする
  5. Würfel=サイコロ
  6. Brücke=橋



↓↓↓解答はコチラ↓↓↓



  1. Händler(ヘンドラー)=商人
  2. wählen(ヴェーレン)=選ぶ
  3. Öl(エール)=油
  4. öffnen(エフネン)=開く、オープンする
  5. Würfel(ヴュルフェル)=サイコロ
  6. Brücke(ブリュッケ)=橋

いかがでしょうか?より原語の発音に近い書き方だと、Händlerは「ヘェンドラー」、Ölは「オェール」、öffnenは「オェフネン」といった感じになります。


2. 母音二文字のカタマリ(二重母音)

お次は二重母音です。「au, ei, eu, äu」は母音二文字のカタマリで、ローマ字読みすると「アウ、エイ、エウ」といった感じになりますが、以下のようにちょっと違った読み方になります。

①「au」(アー・ウー)は「アォ」と読む。

例) Haus(ハォス)=家、建物

②「ei」(エー・イー)は「アイ」と読む。

例) Ei(アイ)=卵

③「eu」と「äu」(どちらもエー・ウー)は「オイ」と読む。

例) Euro(オイロ)=ユーロ、Häuser(ホイザー)=家の複数形

次に実践クイズです。母音のカタマリに注意して単語を読んでみましょう。推測でもOKです!

  1. Auto=自動車
  2. Auge=眼
  3. Baum=木
  4. eins=1(数字)
  5. Meister=職人
  6. Anleitung=手引き、マニュアル
  7. Europa=ヨーロッパ
  8. Leute=人々
  9. teuer=(値段が)高い
  10. Mäuse=ネズミ(Mausの複数形)
  11. Verkäufer=店員、販売員
  12. Bäume=木々(Baumの複数形)



↓↓↓解答はコチラ↓↓↓



  1. Auto(アォト)=自動車
  2. Auge(アォゲ)=眼
  3. Baum(バォム)=木
  4. eins(アインス)=1(数字)
  5. Meister(マイスター)=職人
  6. Anleitung(アンライトゥング)=手引き、マニュアル
  7. Europa(オイローパ)=ヨーロッパ
  8. Leute(ロイテ)=人々
  9. teuer(トイアー)=(値段が)高い
  10. Mäuse(モイゼ)=ネズミ(Mausの複数形)
  11. Verkäufer(フェアコイファー)=店員、販売員
  12. Bäume(ボイメ)=木々(Baumの複数形)

いかがでしょうか?au, ei, eu, äuのカタマリはよく出てくるので、自分の好きな単語を例として覚えておくとよいでしょう。


3. 母音を長く読むとき(長母音)

最後に単語の中で常に長く読む母音について見てみましょう。

①「ie」(イー・エー)は「イー」と読む。
例)sieben(ズィーベン)=7(数字)、Spiel(シュピール)=ゲーム、遊び、試合
※ただし外来語は「ie」をそのまま「イエ」と読みます(例:Familie〔ファミーリエ〕)。

②「母音+h」(母音の後のh)はhを読まずに、母音を伸ばす。
例)sehen(ゼーエン)=見る、nehmen(ネーメン)=取る

③「aa, ee, oo」など同じ母音が2つ続くときは母音を伸ばす。
例)Aal(アール)=ウナギ、Teeテー)=お茶、Zoo(ツォー)=動物園

では実践クイズです。以下の単語を読んでみましょう。日本語の「サ・シ・ス・セ・ソ」(sa, si, su, se, so)はすべて濁り、「ザ、ズィ、ズ、ゼ、ゾ」と発音するので、Saalは「ザ」から読みはじめます。母音の後の「r」は軽く「ァ」と読むので、vierやleerの最後の「r」は「ァ」と読みます。

  1. Spieler=プレイヤー
  2. vier=4(数字)
  3. gehen=(徒歩で)行く
  4. fahren=(乗り物で)行く、運転する
  5. Saal=広間
  6. leer=空っぽの
  7. Boot=ボート



↓↓↓解答はコチラ↓↓↓



  1. Spieler(シュピーラー)=プレイヤー
  2. vier(フィーア)=4(数字)
  3. gehen(ゲーエン)=(徒歩で)行く
  4. fahren(ファーレン)=(乗り物で)行く、運転する
  5. Saal(ザール)=広間
  6. leer(レーア)=空っぽの
  7. Boot(ボート)=ボート

いかがでしたでしょうか?「v」や「sp」の発音など、まだ扱っていないものもあるので、ここでは母音を伸ばす部分だけ読めればOKです。

次回は注意の必要な子音の読み方を見ていきます。

それではまた次回、bis zum nächsten Mal!

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