基礎編4: 注意が必要な子音の発音&ゲームの説明書によく出てくる単語

 学習目標

● ローマ字読みしない子音の発音を知り、単語を読むことができる。
● ボードゲームの説明書でよく出てくる単語を読むことができる。

前回はローマ字読みしない母音の読み方を学びました。今回はその子音編です。大まかにいうと、「a, i, u, e, o」以外の文字が子音となります。ローマ字読みしない変な読み方の子音を見ていきましょう。数が多いので、先に実践クイズから取り組んでもOKです。

① 語末の-b, -d, -gは「プ[p]、トゥ[t]、ク[k]」と読む。
例)halb(ハルプ)=半分の、Land(ラント)=国、地方、Tag(ターク)=日、昼間

② chは「ハヒフヘホ」のうちのどれかになる。
☆「a, o, u, au」の後に「ch」があるときは「ハ、フ、ヘ、ホ」の音[x]になる。
例)acht(アハト)=8(数字)、Loch(ロッホ)=穴、Buch(ブーフ)、auch(アォホ)=~も

☆上記以外は「ヒ」[ç]の音。
例)ich(イッヒ)=私は、echt(エヒト)=本当、China(ヒーナ)=中国, 

③ chsは「クス」[ks]と読む。
例)sechs(ゼクス)=6(数字)、Hornochs(ホルンオクス)=角牛(カードゲーム"6nimmt"のカードに書かれているマーク)

④ 単語の最後の-igは、「イヒ」[-iç]と読む。
例)zwanzig(ツヴァンツィヒ)=20(数字)、richtig(リヒティヒ)=正しい

⑤ j=「ヨット」なのでヤ行の音になる。
例)Japan(ヤーパン), jeden Tag(イェーデン・ターク)=毎日

⑥ pfは「プフ」と読む。
例)Kopf(コプフ)=頭、Pfalz=プファルツ(地名)

⑦ quは「クヴ」[qv]と読む。
例)Qualität(クヴァリテート)=質、クオリティ

⑧「s+母音」、つまり日本語のサ行「sa, si, su, se, so」は、濁音[z]になるので「ザ、ズィ、ズ、ゼ、ゾ」と読む。
例)Sagaland=ザーガラント(ボードゲームのタイトル)、Supermarkt(ズーパーマルクト)=スーパーマーケット

⑨ ssとß(エスツェット)は濁らない「s」の音になる。
例)Essen=エッセン(地名。「食べ物、食事」の意味もある)、Fuß(フース)=足(くるぶしから下の部分)

⑩ schは「シュ」[ʃ]の音になる。
例)schön(シェーン)=美しい、schreiben(シュライベン)=書く

⑪ 単語がsp-ではじまっていたら「シュプ」[ʃp]、st-ではじまっていたら「シュトゥ」[ʃt]と読む。
spielen(シュピーレン)=遊ぶ、(球技や楽器の演奏を)する、Straße(シュトラーセ)=通り、道路

⑫ dtとthは「ト」[t]と読む。
例)Stadt(シュタット)=街、Thema=テーマ

⑬ tiは「ツィ」[tsi]と読む(外来語)。
例)Information(インフォルマツィオーン)=情報、Tradition(トラディツィオーン)

⑭ tschは「チュ」[tʃ]と読む。
例)Deutsch(ドイチュ)=ドイツ語

⑮ v(ファオ)は「f」の音なので濁らず、w(ヴェー)は「v」の音なので濁る。
Volkswagen(フォルクスヴァーゲン)=フォルクスワーゲン、vergessen(フェアゲッセン)=忘れる(※母音の後の「r」は軽く「ァ」と読む)、Welt(ヴェルト)=世界

⑯ zは「ツ」[ts]の音になる。
例)Zeit(ツァイト)=時間

⑰ ds, ts, tzのカタマリも「ツ」[ts]の音になる。
例)abends(アーベンツ)=晩に、nichts(ニヒツ)=何も~ない, Platz(プラッツ)=場所、第~位

では実践クイズです。以下の単語や語句を読んでみましょう。

1) Spiel des Jahres=年間ゲーム大賞
2) Startspieler=スタートプレイヤー
3) Handkarte=手札
4) vor sich=自分の前へ
5) Zahl=数字
6) Quartett=四つ組、四枚一組
7) Aktion=アクション
8) Letzte Runde=最終ラウンド
9) Auf Achse=陸路で
10) Also, wir sehen uns wieder!=それじゃ、また会いましょう!



↓↓↓ 解答はコチラ ↓↓↓



1) Spiel des Jahres(シュピール・デス・ヤーレス)=年間ゲーム大賞
2) Startspieler(シュタルトシュピーラー)=スタートプレイヤー
3) Handkarte(ハントカルテ)=手札、「Hand=手+Karte=カード」からなる複合語
4) vor sich(フォーア・ズィッヒ)=自分の前へ
5) Zahl(ツァール)=数字
6) Quartett(クヴァルテット)=四つ組、四枚一組
7) Aktion(アクツィオーン)=アクション
8) Letzte Runde(レッツテ・ルンデ)=最終ラウンド
9) Auf Achse(アウフ・アクセ)=陸路で
10) Also, wir sehen uns wieder!(アルゾー、ヴィーア・ゼーエン・ウンス・ヴィーダー)=それじゃ、また会いましょう!


いかがでしたでしょうか?Auf AchseはWolfgang Kramer(ヴォルフガング・クラーマー)作のボードゲームで、1987年に年間ゲーム大賞を受賞しています。トラック運転手になって、ドイツの都市から都市へと荷物を運び、売り上げを稼いでいくゲームです。サイコロの出目で移動距離が決まったり、渋滞やイベント(ボーナスだけでなく、荷物の盗難やダンピングなどの事件も起こる)も発生する面白いゲームです。2007年にグラフィックも改めた新版が、Schmidt Spiele(シュミット・シュピーレ)社から発売されています。

今回はローマ字読みしない子音の発音を学びました。原則からは外れるので、「原則なんてなかった、いいね?」と言わざるをえません。説明はあくまで部分的なものなので、いきなり全て覚えられなくても大丈夫です。ドイツ語学習を進めていく中で、単語の読み方に迷ったり、なぜこの読み方なのか不思議に思ったら、その都度今回と前回の記事を見直しみてください。何度も繰り返すうちに自然と身についていきますよ。

次回は主語として使う人称代名詞について学びます。Bis zum nächsten Mal!

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