文法のまとめ1:ドイツ語の文法用語リスト

文法のまとめ編では、用語や変化表のリストをアップします。見直しや参照に利用してください。

ドイツ語を学ぶ際に使われる文法用語のリストです。あくまで文法用語なので、覚える必要はありませんが、学習を進める上で、「この用語なんだったっけ?」と思ったときに見直してみてください。ドイツ語も併記していますので、ドイツ留学を考えている方は、早いうちから文法用語のドイツ語にも慣れておくとよいでしょう。ドイツ語・日本語ともに、文法用語は区分の仕方によって複数の名称がある場合があります。

ドイツ語日本語説明
Subjekt
(ズプイェクト)
主語「~が/は」にあたる言葉。行為や状態の中心になる人や物を指す。ich私は、er彼は、das Autoその車は など、1格の名詞と代名詞が主語になる。
Verb
(ヴェルプ)
動詞gehen行く、sein存在する など、動作や状態などをあらわす言葉。主語に応じて形が変わる。規則変化動詞(Regelmäßige Verben:レーゲルメースィゲ・ヴェルベン)と不規則変化動詞(Unregelmäßige Verben:ウンレーゲルメースィゲ・ヴェルベン)がある。
Objekt
(オプイェクト)
目的語「~に」、「~を」にあたる言葉。動詞のあらわす行為を受ける対象を表す。mich私を、dir君に、den Hundその犬を など、3格と4格の名詞と代名詞が目的語になることが多い。目的語の格は動詞によって決まっているので、2格の目的語を取る動詞もある。ちなみにドイツ語では4格目的語を取る動詞を「他動詞」、それ以外を「自動詞」と呼ぶ。なので3格目的語を取る動詞も自動詞になる。
Infinitiv
(インフィニティーフ)
不定詞動詞の原形のこと。動詞の前にzuをつけると「~すること」をあらわす「zu不定詞」(Infinitiv mit zu)ができる。例)gehen行く→zu gehen行くこと
Personalpronomen
(ペルゾーナル・
プロノーメン)
人称代名詞「ich私は、du君は、Sieあなたは、esそれは」など、名詞の代わりに人や物を指して使う言葉。
Indefinitpronomen
(インデフィニート
プロノーメン)
不定代名詞「man(不特定多数の人は)、jemand(誰か)、einer(誰かある人)etwas(何か)、nichts(何も~ない)」など、不特定の人やモノを指す代名詞。特に「man」は「男の人」ではなく、男女を含めた一般的な人々の意味で使う。三人称単数として扱われる。
Genus
(ゲーヌス)
名詞の性男性名詞Maskulinum、女性名詞Femininum、中性名詞Neutrumの三つがある。形容詞では男性maskulin、女性feminin、中性neutralと呼ばれる。
Singular
(ズィングラール)
単数形名詞の単数形、つまり、物や人などの数が一つ、あるいは一人であることを表す形。
Plural
(プルーラール)
複数形名詞の複数形、つまり、物や人などの数が二つ、あるいは二人以上のときの形。複数形の語尾は「-, -e, er, -en, -s」の5パターン。ウムラウトするものもある。
Kasus
(カーズス)
1格(主格)Nominativ、2格(属格・所有格)Genitiv、3格(与格)Dativ、4格(対格)Akkusativの四つがある。日本語でいうところの「~が/は、~の、~に、~を」。例)der Hund=その犬は、mich=私を
Bestimmter Artikel
(ベシュティムター・
アルティケル)
定冠詞「その~、あの~、例の~」など、名詞を特定したいときに使う。冠詞は名詞の「冠」になる言葉。定冠詞の「定」は特定の「定」。名詞の性と格によって形が変化(男性名詞ならder, des, dem, den)するので暗記しておこう。
Unbestimmter Artikel
(ウンベシュティムター・
アルティケル)
不定冠詞「一つの~、ある~」など、人数・個数が一つのときや不特定の意味を表したいときに使う。名詞の性と格によって形が変化(男性名詞ならein, eines, einem, einen)するので暗記しておこう。
Negationsartikel
(ネガツィオーンス
アルティケル)
否定冠詞「一つも~ない」という意味で使うkein。名詞の前につけて、名詞を否定する。名詞の性と格によって形が変化する。変化の仕方は不定冠詞einと同じなので、einの頭にkをつければできあがり。不定冠詞類の一種である。複数形は定冠詞の格変化と同じ語尾になる。
Possessivartikel
(ポッセスィーフ・
アルティケル)
所有冠詞「mein私の、dein君の、sein彼の、ihr彼女の」など、誰のものかを表す言葉。名詞の性と数、格に応じて語尾が変化する(男性名詞ならmein, meines, meinem, meinen)。変化の仕方は不定冠詞と同じ(複数形は定冠詞と同じ)なので、不定冠詞類の一種である。
Demonstrativartikel
(デモンストラティーフ・
アルティケル)
指示冠詞「dieserこの、jenerあの、solcherそのような」などの言葉。名詞の性と数、格に応じて語尾が変化する。変化の仕方は大体定冠詞と一緒なので、定冠詞類に含まれる。中性の1格と4格だけ語尾が「-es」になる。
Indefinitartikel
(インデフィニート
アルティケル)
不定数冠詞
不定数詞
「allerすべての、jederどの~も、mancherいくつかの」などの言葉。変化の仕方は大体定冠詞と一緒。中性の1格と4格だけ語尾が「-es」になる。定冠詞類の一種。
Modalverben
(モダールヴェルベン)
話法の助動詞文字通り、他の動詞を助ける動詞。können(~できる)、やmüssen(~しなければならない)など、主観的なニュアンスを加える。
Fragewörter
(フラーゲヴェルター)
疑問詞「was何、wieどのように、woどこで、wer誰が、wannいつ、woherどこから、wohinどこへ、warumなぜ、welcherどの」など、質問で使う言葉。疑問詞は文の一番目に置いて、二番目に動詞を置く。
Adjektiv
(アドイェクティーフ)
形容詞「schön美しい、groß大きい」など、人や物の特徴や性質を表す言葉。名詞を修飾する、つまりそれがどういうものか詳しく説明する。
Adverb
(アドヴェルプ)
副詞「sehrとても、hierここに、morgen明日」など、程度や場所、時などを表す言葉。名詞以外の言葉を修飾(詳しく説明)する。例えば、gernは「~するのが好き」だという意味で動詞とセットで使う。
Präpositionen
(プレポズィツィオーネン)
前置詞「in~の中に、auf~の上に」など、名詞の前に置いて使うので前置詞。場所所や方向、手段、時、理由など、色々な意味を表す。
Konjunktion
(コンユンクツィオーン)
接続詞「undそして、aberしかし、oderあるいは」など、「単語と単語」や「文と文」をつなげる言葉。語順に影響を与えない並列接続詞(aber, und, oderなど)と、定動詞を文末に移動させる従属接続詞(weil, als, wenn, obwohlなど)がある。
Imperativ
(インペラティーフ)
命令法
命令形
du, ihr, Sieの二人称の相手に対して、Kommen Sie bitte!(来てください!)やHilfe!(助けて!)など、命令したり要求したりする言い方。
Trennbare Verben
(トレンバーレ・
ヴェルベン)
分離動詞「an|kommen到着する、auf|stehen起きる」など、「前つづり+基礎動詞」でできている動詞。つまり、普通の動詞の前に別の単語がくっついた変な動詞。アクセントは前つづりにある。現在形と過去形では普通、前つづりが文末に置かれる。
Untrennbare Verben
(ウントレンバーレ・
ヴェルベン)
非分離動詞「gefallen~の気に入る、besuchen訪れる」など、前つづりが付いていても、分離しない動詞。非分離の前つづりには「be-, emp-, ent-, er-, ge-, ver-, zer-」があり、この部分にはアクセントはない。
Reflexivpronomen
(レフレクスィーフ・
プロノーメン)
再帰代名詞「mir/mich私自身、sich彼自身」のように、主語自身を指す言葉。3格と4格があり、sichが代表格。1人称と2人称は人称代名詞と同じ語を使う。
例)Er setzt sich auf die Bank. 彼はベンチに座る(=彼は彼自身をベンチに座らせる)。
Reflexive Verben
(レフレクスィーヴェ・
ヴェルベン)
再帰動詞再帰代名詞sichとセットで使う動詞。「sich freuen喜ぶ、sich für ~ interessieren~に興味がある」など。sichは主語に合わせて格変化する。3格か4格のどちらかになるかは、動詞や表現によって決まっている。
Relativpronomen
(レラティーフ・
プロノーメン)
関係代名詞一つの文を直前の名詞(先行詞)につなげる言葉。ほぼ定冠詞と同じ変化をする。関係代名詞を含んだ文を関係文といい、先行詞を丸ごと説明する。関係文の中では定動詞が文末に置かれる。関係代名詞の格は、関係文の中でどのような意味で使われているかで決まる。例)Ich möchte die Karte, die du hast. 僕は君の持ってるカードが欲しい=私はそのカードが欲しいんだが、それを君は持っているんだな。
Komparativ
(コンパラティーフ)
比較級二つのものを比較して、「より~だ」という意味で使う。多くの場合、形容詞あるいは副詞の語尾に-erをつけて作る。Ich trinke lieber Kaffee als Tee. 私はお茶よりもコーヒーを飲む方が好きだ。
Superlativ
(ズーパーラティーフ)
最上級三つ以上のものを比較して、「最も~だ」という意味で使う。多くの場合、形容詞・副詞の語尾に-stをつけて作るが、定冠詞と共に用いて語尾変化をする。
Passiv
(パッスィーフ)
受動態「〇〇が~される/された」という受身の表現。werdenを助動詞として使い、文末に過去分詞を置いて作る。事物が主語になることが多い。
Präsens
(プレゼンス)
現在形ドイツ語の現在形は幅が広く、現在進行中のこと(Jetzt spiele ich Fußball. 今、私はサッカーをしています。)や、未来のこと(Morgen fahre ich nach Tokyo. 明日私は東京に行きます。)も現在形で表す。
Präteritum
(プレテリトゥーム)
過去形ドイツ語の過去形は、主に書き言葉で過去のことを表現する際に用いられる。ただし、seinやhaben、話法の助動詞は、日常会話でも過去形を使う。
Perfekt
(ペルフェクト)
現在完了主に日常会話で過去の出来事を述べる際に使う。seinかhabenの現在人称変化を助動詞として使い、文末に過去分詞(PartizipⅡ)を置いて作る。
Plusquamperfekt
(プルスクヴァム
ペルフェクト)
過去完了過去のある時点から見て、さらに過去のことを表す。seinかhabenの過去人称変化と過去分詞(文末)を使って作る。
Futur
(フトゥーアー)
未来形未来の事柄に対して、「~するだろうね、~になるだろうなあ」といった、主観的な推測や意図を含める場合に使う。純粋に未来の出来事や予定は現在形を使う。
KonjunktivⅠ
(コンユンクティーフ・
アインス)
接続法Ⅰ式他人の発言を間接的に伝えたり、要求や提案を述べるときなどに使う、動詞の形。不定詞の語幹に語尾「-e, -est, -e, -en, -et, -en」つけて作る。
例)Er sagte, er habe in Japan gewohnt.(彼は、自分は日本に住んでいた、と言った。)あくまで「~なんだってさ」という間接的な物言いなので、それが本当かどうかは関知していない。
KonjunktivⅡ
(コンユンクティーフ・
ツヴァイ)
接続法Ⅱ式現実には起きないことや丁寧な言い方をするときに使う、動詞の形。英語の仮定法にあたる。過去基本形に語尾「-e, -est, -e, -en, -et, -en」をつけて作る。非現実的な言い方なので、絶対起こらないことを前提にして話す。なので敬語的にも使える。
例)Wenn ich Zeit hätte, würde ich Romane lesen.(もし時間があれば、小説を読むんだけどなあ。)→時間がないことを前提として、仮定の話をしている。
例)Könnten Sie mir bitte sagen, wo der Bahnhof ist?(駅がどこにあるか教えていただけませんか?)→直接的な要求ではなく、非現実的に「~してもらえたらありがたいのだけど」と遠回しに言うことで丁寧な表現になっている。

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