基礎編7:ドイツ語で他者紹介―規則変化動詞の例外(口調上の「e」と、動詞の語尾「-st」の「s」の省略)

学習目標 

● ドイツ語で他者紹介ができる。
● ドイツの人名と地名を覚える。
● 動詞の規則変化の例外を知る。

前回は自己紹介と動詞の変化について学びました。今回は他者紹介の仕方と、動詞の規則変化の例外を学びます。語彙としてはドイツ語圏の人名と地名を覚えることが目標です。

1.他者紹介の仕方

まず、他者紹介です。紹介文を作成する前に、以下の人物のプロフィールを見て、紹介する情報が何か当ててみてください。


Nameは名前、Herkunftは出身地もしくは出身国、Wohnortは居住地、Hobbyは趣味(ここではボードゲーム〔Brettspiele〕)、Lieblingsspielは好きなゲームですね。これらの情報を使って、他者紹介文を作成してみましょう。使う動詞はsein, kommen, wohnen, spielenの三つですが、主語に合わせて形を変えなければなりません。以下の文では動詞だけ穴埋めにしているので、主語に合わせて動詞の形を変えて下線部に入れ、他者紹介文を完成させてください。主語はすべて三人称単数です。

Das            Alex Meier. Er            aus Deutschland und            in München.
Er            gern Brettspiele. Sein Lieblingsspiel            "Auf Achse".

和訳: こちらはアレックス・マイアーです。彼はドイツ出身で、ミュンヒェンに住んでいます。彼はボードゲームをするのが好きです。彼の好きなゲームは『アウフ・アクセ』です。


答え合わせの前に、音声と三択問題にチャレンジしてみましょう。

ヒント1: 他者紹介文の音声を聞いて、下線部に入る動詞を聞き取ってみましょう。綴りが分からなくても、発音だけ理解できればOKです。



ヒント2: Google Formsの三択問題です。何度でもチャレンジできます。回答後、「スコアを表示」をクリックすると、点数と解説が見られます。



↓↓↓ 解答はコチラ ↓↓↓



Das ist Alex Meier. Er kommt aus Deutschland und wohnt in München. Er spielt gern Brettspiele. Sein Lieblingsspiel ist "Auf Achse".

主語はすべて三人称単数なので、動詞の語尾が「t」になります。動詞seinは不規則変化なので「ist」に変化しています。Sein Lieblingsspielの「Sein」は動詞ではなく、「彼の」という意味の所有冠詞です。

2.他者紹介をしてみよう。

次にドイツ語圏の人名と地名を自由に選んで、他者紹介文を作成してみましょう。まず、下線部に入る情報(氏名、居住地、好きなゲーム)を自由に選びましょう。

Das ist              . Er/Sie kommt aus Deutschland und wohnt in            . Er/Sie spielt gern Brettspiele. Sein/Ihr Lieblingsspiel ist "                            ".

【男性の名前の例】
Bernd(ベルント)   Günter(ギュンター)
Klaus(クラウス)    Michael(ミヒャエル)
Reiner(ライナー)   Stefan(シュテファン)
Uwe(ウーヴェ)     Wolfgang(ヴォルフガング)

【女性の名前の例】
Angela(アンゲラ)    Anna(アンナ)
Emma(エマ)          Hanna(ハンナ)
Inka(インカ)        Michaela(ミヒャエラ)
Sabine(ザビーネ)  Stefanie(シュテファニー)

【名字の例】
Brand(ブラント)        Burkhardt(ブルクハルト)
Hoffmann(ホフマン)  Kiesling(キースリング)
Knizia(クニツィア)     Kramer(クラーマー)
Menzel(メンツェル)     Müller(ミュラー)
Neumann(ノイマン)    Richter(リヒター)
Rosenberg(ローゼンベルク)Schacht(シャハト)
Schneider(シュナイダー)    Schulz(シュルツ)
Schäfer(シェーファー)    Teuber(トイバー)
Weber(ヴェーバー)

【ドイツの地名】
Augsburg(アウクスブルク)
Berlin(ベルリン)
Bonn(ボン)
Bremen(ブレーメン)
Dresden(ドレスデン)
Essen(エッセン)
Freiburg(フライブルク)
Hamburg(ハンブルク)
Hannover(ハノーファー)
Ingolstadt(インゴルシュタット)
Köln(ケルン)
Leipzig(ライプツィヒ)
Mannheim(マンハイム)
München(ミュンヒェン)
Nürnberg(ニュルンベルク)
Stuttgart(シュトゥットガルト)
Würzburg(ヴュルツブルク)


以下が作成例です。紹介する人が男性か女性かで、ErとSie、Sein(彼の)とIhr(イーア=彼女の)を使い分けます。

作成例:
Das ist Bernd Richter. Er kommt aus Deutschland und wohnt in Essen. Er spielt gern Brettspiele. Sein Lieblingsspiel ist "6 nimmt!".

こちらはベルント・リヒターです。彼はドイツ出身で、エッセンに住んでいます。彼はボードゲームをするのが好きです。彼の好きなゲームは『6ニムト』です。

Das ist Emma Schulz. Sie kommt aus Deutschland und wohnt in Stuttgart. Sie spielt gern Brettspiele. Ihr Lieblingsspiel ist "Katan".

こちらはエマ・シュルツです。彼女はドイツ出身で、シュトゥットガルトに住んでいます。彼女はボードゲームをするのが好きです。彼女の好きなゲームは『カタン』です。

ドイツ語が作成できたら、テキストトゥスピーチのサイトで自分の作った文の音声を聞いてみましょう。

Text To Speech in a Variety of Languages and Dialects Voices (imtranslator.net)

言語設定(Language)をドイツ語「German(male)」か「German(female)」に変えて、テキストボックスにドイツ語を入力したら、「Say It」ボタンを押します。「German(female)」の方がより自然な発音とイントネーションでドイツ語を読んでくれるので、おススメです。「German(male)」の方はカタコトですが、作成した音声をダウンロードすることができます。音声に続いて、発音してみてください。できれば暗唱できるようになるまで覚えてしまいましょう。

3.動詞の規則変化の例外

さて、他者紹介で使う動詞の語尾はすべて「t」となっていましたが、動詞の現在人称変化には慣れてきたでしょうか?規則変化動詞の語尾は「エストテンテン」で覚えましたね。


動詞の中には発音の都合上でこの規則から少し外れるものが出てきます。以下の対話の中で少し違っている部分を探してみましょう。動詞の原形と比較してみてください。

Hallo, ich heiße Hanna. Wie heißt du?(heißen=~という名前である)
やあ、私はハンナっていうの。あなたのお名前は何ていうの?

Das ist Uwe. Er arbeitet in München. (arbeiten:アルバイテン=働く)
こちらはウーヴェです。彼はミュンヒェンで働いています。

Wie findest du meine Jacke? ー Das finde ich gut. (finden:フィンデン=~と思う)
君は僕の上着どう思う? ― 良いと思うよ。

Ich reise oft in den Ferien. Reist du auch gern? (reisen:ライゼン=旅行する)
私は休暇中によく旅行するの。君も旅行をするのは好き?

チェックするのは以下の箇所です。規則変化の語尾「e, st, t, en, t, en」と少し違っています。

Hallo, ich heiße Hanna. Wie heißt du?(heißen=~という名前である)
やあ、私はハンナっていうの。あなたのお名前は何ていうの?

Das ist Uwe. Er arbeitet in München. (arbeiten:アルバイテン=働く)
こちらはウーヴェです。彼はミュンヒェンで働いています。

Wie findest du meine Jacke? ー Das finde ich gut. (finden:フィンデン=~と思う)
君は僕の上着どう思う? ― 良いと思うよ。

Ich reise oft in den Ferien. Reist du auch gern? (reisen:ライゼン=旅行する)
私は休暇中によく旅行するの。君も旅行をするのは好き?


主語がduのときは動詞の語尾は「-st」ですが、動詞heißenとreisenは「heißst」や「reisst」ではなく、「heißt」と「reist」のように語尾が「t」だけになっています。また、findenは「findst」ではなく「findest」、arbeitenは「arbeitt」ではなく「arbeitet」になり、語尾「st」と「t」の前に「e」が追加されていますね。詳しく見てみましょう。

「エストテンテン」の例外①
finden(見つける)やarbeiten(働く)のように、語幹がdやtで終わる動詞は、主語がdu, er/sie/es, ihrのときに、du findstやdu arbeitstとなると読みにくいので、語尾の前に「e」を付け足します(「口調上のe」と呼ばれています)。「e」を付け足すのは、この三か所だけです。

「エストテンテン」の例外②
heißenやreisenのように、語幹がs, ß, zなどで終わる動詞では、du heißstやdu reisstのようにエスの音が重なると読みにくいので、語尾stのsが取れて、du heißtやdu reistになります。「s」が取れるのは、主語がduのときだけです。


                


今回は他者紹介の仕方を学びました。ドイツ人の人名や、ドイツの地名は使いこなせるようになったでしょうか?動詞の変化では、規則変化の例外を紹介しました。基本は「エストテンテン」で動詞の語尾「en」の部分が変わるけれど、読みにくいときは語尾の「s」を省略したり、「e」を付け足すことがある、という点だけ押さえておけばOKです。

それではまた次回、bis zum nächsten Mal!

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