基礎編10:サイコロはどこ?ー「定冠詞と名詞の格変化」


 学習目標

  • 定冠詞と名詞を格変化させることができる。
  • 音声を聞いて、定冠詞の変化を理解できる。
  • 男性名詞と中性名詞の2格の語尾を辞書で調べることができる。
  • 名詞の性と格に応じて、定冠詞を変化させて使うことができる。

1.前回の復習・・・英語のtheにあたる定冠詞(der/die/das)の変化

前回は名詞の格と格変化について学びました。まず定冠詞の変化を復習しましょう。名詞の性・数と格に合わせて、derやdie, dasなどの定冠詞を変化させて下線部に入れてみましょう。今回は練習問題をまとめたワークシート(PDF)もありますので、活用してください。

男性名詞女性名詞中性名詞複数形
1格         Spieler         Spielerin         Haus         Häuser
2格         Spielers         Spielerin         Hauses         Häuser
3格         Spieler         Spielerin         Haus         Häusern
4格         Spieler         Spielerin         Haus         Häuser

下線部に入る選択肢(二回以上使う単語もあります):

〔 das / dem / den / der / der / des / die 〕

音声も参考にしてみてください。


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男性名詞女性名詞中性名詞複数形
1格der Spielerdie Spielerindas Hausdie Häuser
2格des Spielersder Spielerindes Hausesder Häuser
3格dem Spielerder Spielerindem Hausden Häusern
4格den Spielerdie Spielerindas Hausdie Häuser


2.名詞をまるごと格変化させてみよう ー 辞書での2格の語尾の見方

いかがでしたでしょうか?名詞の性と数(男性か女性か中性か複数か)そして格(1・2・3・4=が・の・に・を)の二つの要素で、定冠詞の形が変わるのでしたね。

次に名詞をまるごと格変化させてみましょう。以下の名詞を格変化させてみてください。サイコロ(der Würfel)、カード(die Karte)、ゲーム盤(das Spielbrett)、複数のカード(die Karten)の四つです。

男性名詞女性名詞中性名詞複数形
1格der Würfeldie Kartedas Spielbrettdie Karten
2格
3格
4格

定冠詞の変化は、先に見た表と一緒です。ただし、男性名詞と中性名詞では、名詞の語尾に「-s」か「-es」がつくので辞書で調べてみましょう。表記の仕方は辞書によって異なりますが、たいていの場合、以下のようになっています。

der Spieler「男」(-s/-)
die Karte「女」 (- / -en)
das Haus「中」(-es/Häuser)

まず、名詞の後に「男・女・中」や「m, f, n」などの性の表記があり、その後にある「-s」や「-es」が2格の語尾になります。( )の中はスラッシュ(/)で区切られていますが、スラッシュの左側が単数2格の語尾で、スラッシュの右側は複数形の語尾になります。

紙辞書あるいは電子辞書の独和辞典が手元にない場合、ネット辞書ドイツ語-日本語 辞典 | Lingea (dict.com)で2格の語尾を調べることができます。Spielerを調べると以下のような結果が出ます。



緑字の「m」は男性名詞であることを示しています。語尾は(~s, ~)と表記されています。コンマで区切られていますが、左側の「~s」が単数2格の語尾で、右側のは複数形の語尾です。「~」となっているので、複数形でも語尾はつけないことになります。

▼印のアイコンを押すと、1格から4格までの変化が出てきます。格の名称は数字ではなく、漢字表記ですね。


ネット辞書は便利ではあるのですが、収録語数が限られているので、なるべく紙辞書か電子辞書を使うことをおススメします。

単数2格の語尾の表記は、「-es(-s)」や、「-(e)s」となっている場合があります。これは「-s」でも「-es」でもどちらでもOKということです。Spielbrettを調べて出てこない場合は、Brettで調べてみてください。



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男性名詞女性名詞中性名詞複数形
1格der Würfeldie Kartedas Spielbrettdie Karten
2格des Würfelsder Kartedes Spielbrett(e)sder Karten
3格dem Würfelder Kartedem Spielbrettden Karten
4格den Würfeldie Kartedas Spielbrettdie Karten


うまく格変化させられたでしょうか?Spielbrettの2格は、SpielbrettesでもSpielbrettsでもどちらでもOKです。

3.名詞の性・数と格を見極める

定冠詞の格変化に慣れてきたら、今度は意味に合わせて定冠詞を使えるかどうか試してみましょう。「名詞の性・数」と「格」の二つを確認して、下線部に定冠詞を入れてみてください。名詞の性・数(男性・女性・中性・複数)を調べたら、日本語訳を参考にして、1格から4格(が/は、の、に、を)を見極めます。日本語で理解するよりも、主語や目的語などの役割が分かればその方がベターです。

1) Wo ist          Spielbrett?(男・女・中・複/1・2・3・4)
  ゲーム盤はどこ?

2) Brauchst du           Karten?(男・女・中・複/1・2・3・4)
  君はそれらのカードを必要としてるの?

3) Die Summe           Augenzahl ist neun. (男・女・中・複/1・2・3・4)
  出目の合計は9だね。

4) Wir danken           Verlag für freundliche Genehmigung.
(男・女・中・複/1・2・3・4)
  私たちは快い許諾に対して、その出版社に感謝します。

5)           Marker wird auf Feld 0 gestellt.(男・女・中・複/1・2・3・4)

  そのマーカーは0のフィールド上に立てて置かれます。

6) Die Farbe           Würfels ist rot.(男・女・中・複/1・2・3・4)
  そのサイコロの色は赤です。

2格の名詞は必ず後ろから前につながるので注意しましょう。また、「その」や「それらの」の「の」は2格の意味ではなく、定冠詞が持っている特定のニュアンスです。穴埋めができたら解答の音声を聞いてみましょう。




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1) Wo ist das Spielbrett?(男・女・・複/・2・3・4)
ゲーム盤どこ?

2) Brauchst du die Karten?(男・女・中・/1・2・3・
君はそれらのカード必要としてるの?

3) Die Summe der Augenzahl ist neun. (男・・中・複/1・・3・4)
出目合計は9だね。

4) Wir danken dem Verlag für freundliche Genehmigung.
・女・中・複/1・2・・4)
私たちは快い許諾について、その出版社感謝します。

5) Der Marker wird auf Feld 0 gestellt.(・女・中・複/・2・3・4)
そのマーカー0のフィールド上に立てて置かれます。

6) Die Farbe des Würfels ist rot.(・女・中・複/1・・3・4)
そのサイコロ色は赤です。

いかがでしたでしょうか?冠詞は必ず名詞の前につくものなので、2格の名詞の性を見るときも、下線部の右側の名詞の性を見る必要があります。

最後に今回出てきた表現と単語を使ってドイツ語文を作ってみましょう。練習問題の例文のうち、名詞だけ入れ替えます。名詞の性と格によって、定冠詞の形が変わる場合もあります。

1) サイコロはどこ?
2) 君はそのマーカーを必要としているの?
3) そのゲーム盤の色は赤です。
4) そのカードは0のフィールド上に立てて置かれます。

文が作れたら、解答の音声を聞いてみましょう。





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1) Wo ist der Würfel?
2) Brauchst du den Marker?
3) Die Farbe des Spielbrettes ist rot. / Die Farbe des Spielbretts ist rot.
4) Die Karte wird auf Feld 0 gestellt.

※4番は受動態で、「werdenの現在人称変化+過去分詞(文末)」で「~される」という意味を作ります。カードは普通、横にして置く(=legen)ものなので"Die Karte wird auf Feld 0 gelegt."と言う方が一般的です。


※   ※   ※



今回は定冠詞と名詞の格変化を学びました。名詞の性・数と格によって、定冠詞の形が変わることには慣れてきたでしょうか?冠詞には他にも不定冠詞や否定冠詞、所有冠詞など、様々なものがありますが、2つの要素で形が決まる、という変化の仕組みは同じですので、徐々に慣らしていきましょう。ゲームの説明書を読む際には、主語なのか目的語なのか、どういう意味で使われているかを冠詞の形から読み取れればOKです。

それではまた次回、bis zum nächsten Mal!

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